需要拡大懸念とドル高で原油下落

需要拡大懸念とドル高で原油下落


ジェスリン・ラー著

[シンガポール 2日 ロイター] – 金曜日の原油価格は、特に原油輸入国トップの中国での2025年の需要拡大への懸念から下落し、世界の石油指標は3%近く下落して週を終える見通しとなった。

ブレント原油先物 (BZ=F)は日本時間午前7時30分までに33セント(0.45%)安の1バレル=72.55ドルとなった。米国ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は32セント(0.46%)安の1バレル=69.06ドルとなった。

中国国営石油精製会社シノペックは木曜日に発表した年次エネルギー見通しの中で、ディーゼルとガソリンの需要減退により、中国の原油輸入は早ければ2025年にピークに達し、同国の石油消費は2027年までにピークに達する可能性があると述べた。

LSEGの上級調査スペシャリスト、エムリル・ジャミル氏は「市場が石油需要の伸びの不確実性を重しに年末に向かうなか、基準原油価格は長期にわたる値固め局面にある」と述べた。

同氏は、OPECプラスは価格を引き上げ、需要成長見通しの継続的な修正に対する市場の神経質な緊張を和らげるために供給規律を必要とするだろうと付け加えた。石油輸出国機構とその同盟国(総称して「OPEC+」と呼ぶ)は最近、2024年の世界石油需要の成長予測を5カ月連続で下方修正した。

一方、米連邦準備理事会(FRB)が2025年の利下げに慎重な姿勢を示したことを受け、ドルが2年ぶりの高値に上昇したことも原油価格の重しとなった。

ドル高により他通貨保有者にとって原油価格は上昇する一方、利下げペースが鈍化すれば経済成長が鈍化し、石油需要が縮小する可能性がある。

JPモルガンは、非OPECプラス供給量が2025年に日量180万バレル増加し、OPEC生産量が現在の水準にとどまると予想しているため、石油市場は2024年の均衡から2025年には日量120万バレルの黒字に移行すると予想している。

供給を削減する可能性のある措置として、G7諸国は、全面禁止や価格基準の引き下げなど、ロシア産原油の価格上限を厳格化する方法を検討しているとブルームバーグが木曜日に報じた。

ロシアは、EUと英国がここ数日追加制裁の対象としている船舶の「影の艦隊」を利用して、2022年に課せられた1バレル当たり60ドルの上限を回避している。

(北京のコリーン・ハウとシンガポールのジェスリン・ラーによる報告;ソナリ・ポールとムラリクマー・アナンタラマンによる編集)



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